男と女の友情は成立するのか?友情と恋の違いはなんなのか?
肉体関係の有無で決まるのか?友情の先に恋愛があるのか?
恋とは?友情とは?について様々な疑問が巷には溢れ、多くの人たちが見解を示していますが、いまだに答えの見つからない問題です。
そんな永遠のテーマを扱った漫画、アニメ作品が週刊少年サンデーで連載中の『よふかしのうた』。
人間の少年と吸血鬼の少女との出会いから始まった交流を通して、友情や親愛と恋との違いはなんだろう?恋するということはどういうことか?をテーマの一つに描かれています。
今日は『よふかしのうた』に見る、男と女の友情と、友情と恋との違いについて扱っていきます。
このブログで扱うもの
・『よふかしのうた』に見る男女の友情の成立
・どこから恋でどこまでが友情なのか?
ネタバレ含むのでみたくない人はご注意ください!
執筆者
sabi-Labs 管理人 さび
- 猫のように生きたい人間系ブロガー
- 他サイトでもフィットネス&恋愛系ブログ執筆中
- 僕も吸血鬼になりたい
『よふかしのうた』の紹介
『よふかしのうた』の原作者は『だがしかし』でお馴染みのコトヤマ先生。
『週刊少年サンデー』(小学館)にて、2019年39号より連載中で、現在アニメ化され絶賛放送中。
アニメ化直前の2022年6月時点で電子版を含む累計発行部数は250万部を突破した。
主要な登場人物
夜守コウ
本作の主人公で、中学2年生の14歳。
元々内気な性格であったが、学校では優等生な自分を演じていた。
ある日、クラスで人気の女子生徒に告白されるが「付き合うとかよくわからない」という理由で振り、他の女子生徒たちから因縁をつけられることに。
このことをきっかけに、優等生を演じることが馬鹿らしくなって不登校と不眠症になる。
眠れない夜に外出した際に、ヒロインである七草ナズナと出会い吸血鬼になりたいという夢をもつ。
七草ナズナ
本作のヒロインで、奔放な性格の吸血鬼。年齢は40歳くらいらしいが見た目は細身で美しい少女。
厚手のマントのような上着を羽織っているが、その下は水着のような超薄着。
夜の公園でコウに声をかけ不眠症を直すことを申し出、自宅にコウを連れ込み血を吸う。
下ネタは大好きだが、恋や愛など初心な話には弱く、中学生ならではの無頓着さを持つコウの発言に照れたり羞恥を覚えたりもする。
添い寝屋で生計をたて、集客も兼ねて人間の血も吸っていたが、コウと出会ってからは血が美味いという理由でコウの血しか吸っていない。ビールは飲む。
ストーリー
不登校&不眠症になったコウが夜の自動販売機の前でナズナと出会い物語がはじまる。
なんとなく居心地の良さを感じていた夜の街で、直後ナズナと出会い、言葉巧みに部屋に連れ込まれて血を吸われる。
その後、昼の世界に嫌気の差していたコウは早々に自らも吸血鬼になりたいという願いを持つが、人間が吸血鬼になるためには、その吸血鬼に恋しなければならないという条件を聞かされ、恋愛を知らないコウはナズナの事を好きになろうと、血を吸わせることを条件に夜の行動をともにするのであった。
重要な設定
よふかしのうたには恋と友情を明確に分けるような設定がいくつか存在する。
恋をすると眷属になる
吸血鬼が血を吸った相手は吸血鬼になる、という設定は様々な作品で見られるが、よふかしのうたでもその設定はある。ただし本作ならではの設定があり、”吸血鬼になるためには吸った吸血鬼に恋をしていなければならない”という条件がある。
その為、コウは吸血鬼になるために、ナズナに恋をしようとしているがナズナの方はというと、コウが吸血鬼になるかどうかはどちらでもよく、ただコウの血がとりわけ美味いから、という理由でコウの血を吸っている。
ちなみに吸血鬼に唾を吸われて吸血鬼になった人間を本作では眷属という。
吸血は食事とまぐわい
吸血鬼にとって吸血は食事とまぐわいの二つの要素がある。
吸血の間は吸われている方はちょっとの痛みと快感があり、吸血鬼は腹が満たせる。
また、ナズナはコウの首の左側から吸血をおこなっているが、本来吸血する部位はどこでもいい。
学校で血を吸うのは不純異性交遊らしい。
1年という縛り
吸血鬼に最初に血を吸われてから1年経つと、その人間は永遠に吸血鬼になれなくなる。
その為、コウは1年以内にナズナに恋する必要がある。
吸血鬼と人間で子供はできる
吸血鬼と人間の間に子供ができることが作中で語られている。
ナズナは吸血鬼の誰かを好きになって吸血鬼になった訳ではなく、吸血鬼と人間の間にできた、生まれながらの吸血鬼であることが、作品中で明かされる。
二人の関係
人間と吸血鬼である二人の関係は、このブログを執筆中の8月中頃の時点では、普通の友達以上、恋人未満といった感じ。普通にキスもする。
いわゆるセフレな関係が近い
最初に血を吸った事から関係が始まっており、血を吸うことをまぐわいに喩える事から、人間同士に当てはめればセフレの関係に近い。
基本的にはナズナがコウをリードして毎夜吸血をおこなっており、作中では学校や、漫画喫茶、赤ちゃんプレイなど、さまざまな吸血シチュエーションが描かれる。
お互い友人以上には思っている
お互いに相当な独占欲を持っているが恋愛には発展していない。
しかし、95話でコウは半分吸血鬼化してきていることがわかる。
コウは複雑な感情を持ちながら徐々にナズナの事を好きになり始めている。またナズナの愛情表現も複雑になってきており、以前は仲間の吸血鬼の前で憚ることなくコウとのキスを見せつけていたが、今では秘め事と捉えている。
恋と友情に関する描写
キスされて、発情したってこと?
『よふかしのうた』2巻
前日にナズナにキスされたことでのドキドキを好きになったと勘違いしたコウ。ナズナに諭され発した言葉。本作で性欲と恋を明確に分けたシーン。
コウくんが惚れるような吸血鬼になるから仲良くヤろうや
『よふかしのうた』5巻130ページ
仲間の吸血鬼からコウの命を助けるために出された「コウを惚れさせるような吸血鬼になれ」という条件を出された時のナズナのモノローグ。コウが吸血鬼になる決意を新たにし、本来眷属を作る気がなかったナズナもキスとモノローグでそれに応えた。
主観だが、この話の後から、ナズナが妙に艶かしい。
この感情が恋じゃないならじゃあなんなんだよ。
『よふかしのうた』6巻38ページ
いつも一緒にいるのに離れるとすぐに会いたくなるというコウの心情の後に付け加えられたモノローグ。ちなみに血を吸いながら考えていたことで、その時も吸血鬼にはなれなかった。
その他の登場人物に見る男と女の友情
朝井アキラ
コウの幼馴染みで同じ団地に住んでおり、コウにとっては作中で数少ない人間の友達。
本作では身体の関係ありきなナズナとコウの友情に対して、学校に来ないコウに複雑な気持ちを抱きながらもコウの吸血鬼になりたいという夢を応援し、友情を育んでいる。様に見えてコウに対しての気持ちに本人も気がついていないのかどうかはまだ語られていない。コトヤマ先生の繊細な心理表現が活きているキャラクター。
桔梗セリ&秋山昭人(メンヘラさん)
吸血鬼とその眷属のコンビ。
当初は友達として接していたが、やがてメンヘラさんがセリを好きになり、色んな男との関係を持つセリに対してメンヘラ化。その状態で血を座れそのまま眷属になる。
セリもメンヘラさんに対しては友情を感じており、メンヘラさんを吸血鬼にするシーンは、この作品において友情と恋との切り替わりを示唆した。
ちなみにメンヘラさんとはコウがつけたあだ名。コウがなりたい姿を先に叶えた人間だが、コウにも作者にもラフな扱いをされている。
まとめ
恋や友情をテーマに扱った『よふかしのうた』の中で、そのテーマが強く現れているシーンをチョイスして紹介しました。
恋愛と男女間の友情が、この作品の中でどういった結末を迎えるのか、これから楽しみでなりません。
漫画は連載中!アニメも放送中なので十分追えるので興味を持った人はぜひ、それぞれのコンテンツを手にとってみてください。